2013年1月21日月曜日

【告知】最新作『こうこう|koukou』上映@芸大千住校舎

というわけで昨年の春から進めてたanimatopeやCHANNELERに続く言葉をテーマにしたアニメーション作品の最新作についての情報を解禁します。

2/9 - 11まで東京芸術大学 千住校舎で開催される東京芸術大学音楽環境創造科大学院音楽音響創造・芸術環境創造 卒業制作・論文/修士論文発表会 2013に、僕の最新作がワールドプレミアで上映されます!


新作のタイトルは『こうこう』
皎々という言葉の「白く輝く」という意味が込められていて、animatopeとCHANNELERと同じく言葉をテーマにしたシリーズの第三弾になります。今回は「音節の可視化」がテーマになっており、過去の連作との違いは、意味やストーリーを込めず純粋に音節を抽象的なアニメーションで表現することを突き詰めようとして作っています。

2月の上映では僕個人の作品では初の試みとなる5.1chサラウンドの映像作品です。当分、サラウンドでの上映をする機会はないと思うので、ぜひ遊びにきてください〜!


こうこう | koukou
無意味な言葉の可視化を試みた抽象アニメーション+ 5.1chサラウンド作品
『見たモノを描いたのではない。見ようとしたモノを描くのだ。』


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Director: Takashi Ohashi
Composer: Yuri Habuka
Mixing: Masumi Takino
Vocal: Luschka Drums:
Kyojun Tanaka (from DCPRG)


監督: 大橋史
作曲: 羽深由理
ミキシング: 滝野ますみ
歌: ルシュカ
ドラム: 田中教順 (from DCPRG)

『こうこう』の制作をサポートしていただけたメンバーですが、過去に言葉をテーマにした作品を共作してきて最近ではATARUなどのドラマ音楽に携わっている作曲家の羽深由理に、新たにミキサーとして滝野ますみを迎えてます。そしてヴォーカルはニコ動カルチャーで高い人気を誇るシンガーソングライターのルシュカに、菊地成孔率いるDCPRGのドラマー田中教順がドラムとパーカッションを担当してます。豪華!!!


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上映詳細


東京芸術大学音楽環境創造科大学院音楽音響創造・芸術環境創造
卒業制作・論文/修士論文発表会 2013
□日時 2013年2月9日(土)- 11日(月・祝日)
    10:00-18:00 ※最終日のみ、17:00までの開催となります。
□場所 東京芸術大学千住キャンパス 東京都足立区千住1-25-1
□入場 無料
□お問い合わせ 050-5525-2742 (音楽環境創造科教員室)


公式サイト http://mce-sttn.com/

2013年1月20日日曜日

【ご報告】animation & motiongraphics VIEW 2012

ONIONSKINさん企画・編集による『animation & motiongraphics VIEW 2012』というBCCKSでリリースされてる電子書籍に参加してます。内容は2012年に見たアニメーションやモーション・グラフィックス作品の中から3つ選ぶ(BESTではない)という内容。作家、デザイナー、研究者それぞれの視点を集めてその年のログを残すという企画のようです。

フリーで閲覧・ダウンロード出来るので、この際ぜひご覧になってみてください〜
http://bccks.jp/bcck/111013/info

vimeoやニコ動のようなインディペンデントの作り手の受け皿が増えることでwebベースでの映像作品が消費されるスピードがここ数年とても早くなったなと感じてる。良い作品を発表したとしても、それを後世に残すためのログを作る役割の人が少なすぎて、過去の出来事がなかったことになる危機感を抱いてたんだけど、今後はanimation VIEWのようなアーカイブの役割の価値は高まってくるんじゃないかと思いました。

【上映】CHANNELER@渋谷アップリンク


渋谷アップリンクで昨年制作したCHANNELERが上映されます!久々の都内での上映です。
有料のイベントですが、ぜひ遊びにきてください〜!



アニメーションと音楽のショートフィルムフェスティバル/Gangpol&mit Japan tour 2013
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アニメーションと音楽のシンクロをテーマにしたショートフィルムが世界中から大集合。映像と音楽が重要に等価で扱われている短編作品を多数上映します。音と映像との関係を捉え直すという画期的なテーマの映画祭、もちろん音楽好きの方も見逃せません。
 この映画祭の開催を記念して、アニメーション映像をコンサートに取り込んだ斬新なステージを魅せるフランスの音楽ユニット、Gangpol & mitがゲスト出演し、コンサートを行います。
 また「音と映像のシンクロについて/岸野雄一」「アニメーション制作/Gangpol & mit」といったレクチャーや、全国各地で行われるコンサート・ディでは、"ヒゲの未亡人"ほか素敵なゲストが共演するなど、盛りだくさんの内容です。
このイベントはアンスティチュ・フランセ日本のデジタルショックの一環として開催されます。

【期間】2013年2月9日(土)〜22日(金)
【会場】仙台、札幌、東京、京都、岡山、広島、福岡、別府、熊本、神戸
【コンサート】Gangpol&mit、ヒゲの未亡人、
【レクチャー】Gangpol&mit、岸野雄一
【アニメーション】上映作品など、詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.k5.dion.ne.jp/~relaxin/AMSFF.html

【主催】アンスティチュ・フランセ日本、OUTONEDISC
【協力】ユービーアイソフト株式会社、Zen Design Project、Pictplasma
【キュレーション】田端志津子

2013年1月11日金曜日

【ご報告】転校生 × 大橋史(meteomoon)@ REPUBLIC vol.10

というわけで2012年の12/1は渋谷WOMB(呼び方不明)で行われたREPUBLIC vol.10 THE FINALにVJとして出演していました。今回は水本夏絵さんのソロプロジェクト"転校生"との共演で、よくライブをご一緒させていただいてるcokiyuさんとは音楽性も大きく異なるミュージシャンと組む事になって、映像の自分達にとって演出内容も大きく異なることを要求させる形になりました。

※上の写真は多摩美の後輩である荻原楽太郎氏によるもの。

今回はライブセット全編通してタイポグラフィを使った映像で統一。タイポネタをベースに写真家の山本渉a.k.a.wattyに実写映像を作ってもらったり、ペインターの中山晃子に流動体や水滴を使ったパフォーマンスを融合させて、転校生の透き通るような瑞々しさ溢れるサウンドと、狂気を垣間みる詞世界を表現しようと試みました。





タイポグラフィを使ったアニメーションは、以前『CHANNELER』という作品でも試みたアプローチですが、今回はよりタイポの持つ面白さと、転校生の歌詞から受ける文体の素朴さと切迫さをどう表現するかがミッションだったと思います。また、今回は実写映像とタイポのアニメーションを組み合わせる際にカラオケ映像にならないか不安だったため、アウトライン化したタイポを部首ごとに分解し、造形は異なるけど意味は同じ言葉を作って、オリジナルのタイポグラフィをデザインしました。上のgifアニメは『夢から醒めてゆくよ』をヒラギノ明朝体でタイピングし、それを一度分解したうえで異なる造形で同じ言葉を作っているのが分かると思います。

文字の再構築ネタといえば字作字演とか、身近なところだとタイピングによるギャル文字団子坂文庫など、けっして目新しい手法じゃないんだけど、モーショングラフィックスという手法に落とし込むことで、文字と抽象的オブジェクトを往復するイメージが、作っていてとても面白い感覚を得ました。





あと先にも少し触れたけど、今回も実写の映像を写真家の山本渉が担当。
いままで飛び道具的な加工を施してたけど、今回はスタティックな画面作りで、彼本来の写真家としての画面の見せ方に、タイポのアニメーションが重なって、思っていた以上に完成度が上がって嬉しかったですね。逆に、彼の良さをより引き立たせるならRCAの出力だと厳しいな、、と思いました。




タイポグラフィを再構築して新しい文字の造形を見いだすアプローチ以外にもアスキーアート的なキャラクターアニメーションも取り入れました。使った文字はすべて転校生の楽曲からテキストを引用して、それを部首ごとなどに分解してグラフィックにしていきます。





上の写真はwattyによる撮影。
今回はペインターの中山晃子がREPUBLICでのVJのために新技を開発。iPadに作っておいたVJ素材を再生してもらい、その上に水や洗剤などを流した様子をカメラで撮影し、タイポアニメーションを有機的な表情に変化させる、、という内容。タイポのシャープでコントラストのある画面が流動体によって有機的に崩れていく演出は、ライブセットに視覚的な深みを得て助かりました。。。




今回はWOMBのメインフロアという事もあり、プロジェクターの出力や巨大なミラーボールの存在など、想定外の問題が発生して思い通りにいかなかった事もあったけど、タイポアニメーションを積極的に取り入れ、山本の品のある実写映像とアニメーションを融合させたり、中山は新技を開発したりと、自分たちにとって新しいことが出来たのが大きな収穫だったと思う。

REPUBLICで転校生との共演を終わりにさせちゃうのも勿体ないと思うので、別のハコで一緒にリベンジしたいなーと思いでいっぱいです。


今回のライブ写真の一部はmetromoonタンブラーのアカウントでまとめて見れるので、ぜひチェックを!!!
http://metromoon.tumblr.com/