2014年1月19日日曜日

【新作】メグとパトロン - パリパリパーリー



ってなわけで、日本のネット発ポップカルチャー通ならご存知「さよならポニーテール」のメンバーであるメグのユニット「メグとパトロン(通称メグパト)」の新曲"パリパリパーリー"のMVを監督しました。
(youtubeはコッチで観てね)

元々、さよポニの「魔法のメロディ」っていうアルバムが好きだったのですが、文系の香りの強いミュージシャンだけに実際に仕事となると縁はないだろうなと思ってたのですが、さよポニのプロデューサーであるクロネコちゃんから直接メールでメグパトのMVの依頼が来たのはかなり感慨深かったです。

んで、実際にクロネコちゃんからの要望で


  • さよポニとの明快な差別化
  • 手癖のないルック
  • 音ゲー的ギミックに溢れた世界観



というのを汲み取りつつ好きなことをやってほしいというお題が出されたので、それに対して


  • 理系的アイディア(さよポニが文系っぽいので)
  • アンチエイリアスのないカリカリのCGルック(曲線要素などリッチな要素を排除)
  • ビブリボンを踏襲した世界観(曲を聴いたときの第一印象が波形をイメージできたので)


という3つの要素を思いつき組み合わせていって考え出した企画が、近年流行してる「理系女子」「ギークガール」の波にのるかたちで電子回路図の世界をメグちゃん(頭にリボン付けてメガホンもってる女の子)が冒険するプロットになりました。




アイディア自体はすんなり決まったんですが、電子回路図らしくしすぎると画面が野暮ったくなり、画作りに走り過ぎると「らしさ」が失われちゃうので、そこのバランスの取り方がとても難しかったですが、トンチ系のアニメーションは久々に作るのでかなり楽しめました。

(ちなみに、今回のMVの元ネタはビブリボンと公言しましたが、他にも90年代のTVゲームやアーケードゲームのオマージュがあったりします。分かる人は年齢がバレるかもw)


ともあれ、今後もメグちゃんのプロジェクトに関わっていくので、メグちゃんのtwitterを定期的にチェックしてもらえるとうれCです。メグちゃん、かなりマルチな才能を持ってる子なので、次の曲も楽しみっす。国内のポップカルチャーが海外でも反応を得ると良いなぁ〜なんて思いながらvimeoでもリリースしました。勢いで書いてるので文章が雑な感じになってますが、かなり気持ちが高揚しております。

2014年1月6日月曜日

【レポート】2013年に見た短編映像作品 BEST10

あけましておめでとうございます。
一年間webだったり映画館で見て来た短編のアニメーションやMVのBEST10を選別しました。今年はファブリケーションの技術を映像作品に応用した作品もちょいちょい見受けられて、「手癖のないルックだけどフィジカルさがある」というのが昨年の傾向にあるなーと思いました。他にもデスクトップで完結する手法に満足感が自分自身が感じなくなったり、特別大きなドラマやセンセーショナルなアクシデントもない微熱的なテンションの作品が集まった気がします。

作っていてテンションの高い作品の方が好きだけど、webで映像を見る事自体、なにか面倒臭さを感じるので、起伏の激しかったり異常な情報量の多い映像に何か押し付けがましさを感じるのかなーと思ったり。

ってなわけで以下BEST10です。


Shugo Tokumaru "Katachi" from Kijek / Adamski on Vimeo.
2013年で一番面白かった短編の作品を選べと言われたら真っ先にこのMVを推薦すると思います。Aiのパスっぽい手癖のないフォルムの板が手前奥に連なってゆくストップモーションで、手法的には目新しさはないように思えるんだけど、人肌を感じさせないフォルムをフィジカルな素材に落とし込むギャップが今っぽい映像表現だと思った。

驚きや新しさはないんだけど、「良いな」と思える良作。


Is Tropical / Dancing Anymore from riffraff films on Vimeo.
下らなくて好きです。




The Clockmakers / Les horlogers from National Film Board of Canada on Vimeo.
モーショングラフィックスにおける画面作りって、ヘソを一カ所に固定しがちだけど、前半の展開は不思議な重力感を覚えました。モーショングラフィックスって「止まってもグラフィックとしての魅力が伝わる」ことを意識されてる作品が多いなか、「動いたときに一番魅力を感じる」モーション系の作品に久々に出会った。



Sefton's Dream from Michael Aubtin Madadi on Vimeo.
ブラウン管にお絵描きビデオゲームを流しながらセルアニメを張り合わせたハイブリットな手法のアニメーション。webで映像を見る事自体、なにかかったるさを覚え始めてる今日ですが、フルスクリーンにして展開を丁寧に見守りたくなる作品だと思った。


BEAUTY OF MATHEMATICS from PARACHUTES.TV on Vimeo.
日常生活に見受けられる現象をノーテーションと数式に表したモーショングラフィックス。ノーテーションの美しさは物理的に物事が成立されるためのバランスに裏付けされてるのかなー、、というのを考えさせてくれました。



YAKENOHARA - RELAXIN' MV やけのはら / RELAXIN' MV from saigo no shudan on Vimeo.
微熱系MV。特に大きなドラマが起きることはないんだけど、淡々と部屋のなかの家具がウニュウニュ動く様を眺めるだけで充実感が得られる良作。

Suck a Stew Dry - 世界に一人ぼっち from Hiroshi Kondo / STNW on Vimeo.
超絶マスクMV。プリズムのなかに表象が屈折してるかのようなルック。丁寧なカメラワークや美しいカラコレ。素晴らしい伝統工芸を間近で見たような感覚を覚えました。


Whaty by Barry Doupé

粒子のような細かいピクセルが様々な形体の顔(?)に、メタモルフォーゼするだけのアニメーション作品。まだ作家のバックボーンのリサーチをしてないので、色々突っ込みにくいんだけど、魅力的なCG作家をまた一人見つけることが出来て嬉しかったので推薦。

Oneohtrix Point Never - Boring Angel

LINEみたいなグラフィックだけのコミュニケーションが成立した時代だからこそ生まれたMVだと思う。やられた感。


"夜ごはんの時刻 / It's time for supper." Trailer from sakimuramoto on Vimeo.
2013年の芸大アニメーション専攻の作品のなかでとても印象的だった。観察とユーモアによって成り立つ作品。もう一回映画館で見たい。


ーーー

という感じです。
ってか12月の気になった作品やってないじゃん!って思ったんですが、師走は仕事がクソ忙しくてそんなに作品見れてないので割愛です。


そんな感じのノリですが2014年も色々仕事ください。