2014年4月15日火曜日

最近のMVの傾向について雑感

youtubeで日本のバンド系のMVを見ると、プロジェクションされたスタジオをバックに演奏する、、、というアプローチのビデオがすごく増えたことに気づく。

予算がないなかで、スタジオ一室借りて作り込んだ映像を投映出来れば画面に動きやルックの変化も容易に作れて、グリーンバックで抜いて合成する必要もないしコスパに良いんだろうな、、、なんてことを思いながらMVを見ている。





これはちょっと離れ業。

プロジェクションじゃないけどLEDの映像を撮影。
現場めっちゃ眩しそう。

これらのような、『記録された映像を投映し、再び撮影する』タイプの手法って2年程前に開催された改装された東京駅にプロジェクションマッピングするイベントによる影響ってすごくあるんじゃないかな、って思っていて、日本であの手法が脚光を浴びた最初の作品じゃないだろうか。いままで映画館で何気なく見てた「プロジェクション」というものが「手法」として見られるようになった瞬間である。

プロジェクションマッピングは、HD再生出来るプロジェクターが大変高価であったり、マッピングするためのソフトを使いこなしたりなどハード面でもソフト面もそれなりに敷居が高いので、インディーズバンドではマッピングするには手は届かないけど、投映するだけなら話は別。

面白いのが、例に挙げたMVは、正面からガッツリ演者に映像を投映してるところ。

SEKAI NO OWARIのMVにもプロジェクションを使ったMVがあったけど、よく見るとリア(スクリーンの裏から)で投映されてる。リアで映せば演者に映像が被らずキレイに撮影することができる。このビデオが出来たのは2011年で、まだ東京駅のプロジェクションマッピングが開催される前のこと。

あえて正面から投映することで、立体物に当たる映像の歪みや、それによって落ちる影みたいな汚れを残すことに対して作る人も見る人も抵抗がなくなったのかなーと思ったり。つまり映像を投映するのは必ずしも平らである必要はないっていう前提が作り手にも受け手にも芽生えてるように思える。


そもそも記録した映像をまた記録するってちょっとおかしいと思うんですよ。カラーコピーしたプリントをまたカラーコピーする感じというか。テクノロジーを間違った使い方をしてると思うんだけど、映像業界の最新のフレームワークである3Dとか4Kなどに言えるリアルに・精密に見せる傾向とは明らかに逆の方向を見ている。


今後、手法としての投映がどう変化していくのかは楽しみだし、キレイに作ることが正解とは限らなくなった現状は、面白い傾向に向かってるなーなんて無理矢理まとめてみた。


眠いです。