2016年1月27日水曜日

2016.01.27

あと2ヶ月ほどで2015年度が終わるので、来年度の働き方みたいなものを最近考えたりする。簡単に目標を掲げると

・仕事の本数を現状ぐらいをキープorちょっと減らす
・単価を上げる
・作品を一本つくる
・仕事と直結しない勉強をする or C4D習得

こんな感じ。
勉強のくだりはguponさんのblog読んで、タイポグラフィの塾に通ってることを知ってちょっと触発されてる。あと大学出てから4年以上経って体力がだいぶ落ちてきてるので、ストレッチジムとか通ってスタミナつけたい。


2016年1月26日火曜日

2016.01.26


去年関わった仕事のなかで一番濃厚な時間をすごしたのは間違いなくBURNOUT SYNDROMESの「文學少女」で、たくさんの制作メンバーを抱えながら一本のMVを監督した手応えをはじめて感じた。

その半年後、彼らがメジャーデビューしてハイキューのタイアップ曲として採用されて(めでたい)そのMVがこの前公開されてたので見てみた。



タイポグラフィを使った演出が前作の文學少女をめっちゃ踏襲されててウケる。多分、前回のプロダクト周りをアートディレクションした人の意図なんだろうけど。今回MVはまったくノータッチではあるけど、前回自分たちがBURNOUTの楽曲の魅力を考えて演出したMVのアプローチを、自分ではない別の誰かが引き継いでくれたのはとても嬉しい。

冒頭の演出とかも、文學少女は中学生の女の子が空から落下してるように見える作りに対して、新曲は高校生の女の子が空へ高く飛び上がろうとする演出が 対になってるようにできてるのがグっときた。

最近エゴサするの止めてたんだけど久々にtwitterで検索かけたら、タイアップ曲で知ったアニメファンが文學少女のMVを気に入ってくれて、当初アニメ演出を採用した狙いがうまく繋がってもっと広がってくれれば頑張って作った甲斐があるもの。


2016年1月25日月曜日

2016.01.25

東京オリンピックのエンブレム問題で、目的に対して最適解を導き出すための文脈を考えたりプロセスを導き出すためのセンスみたいなものを分からなかったり信じられない人が多すぎるなって感じたんだけど、でもそれは作る側の自分にも言えることだなって最近気づいた。

当事者には日常的に成し遂げてる成果物に、よほど思い入れがない限り特別な事と思ってないし、昨年リリックビデオの仕事を沢山こなすようになって「文字を動かすだけ」ていう認識で仕事をしてると時々自分のセンスを疑ったりする。

でも、最近文字を動かすだけなのに、書体の趣によってモーションのニュアンスを考えたり、エレメントを分解して画面を構成することで生まれる文字の呪術的な世界観とか、いま自分がやってることは案外他の人には表現が難しかったるするんじゃないかな、と流行りのリリック映像を見てたりすると感じたりする。

ポートフォリオに公開してる成果物を見て仕事を発注されたりリファレンス出されて過去の作風なりアプローチを求められることも多くて、それにうんざりしてた時期もあったんだけど、得意なことを何とも突き詰め続けることに意味があるんじゃないかって最近考えるようになってきた。

今年は自分のセンスを信じれるようにしたい。

2016年1月24日日曜日

2016.01.24

「多種多様な考えや思想があることを自覚しつつも、自分はこれを信じます」と言うなら全然アリだけど、信じてる想いみたいなのが強すぎて一神教みたいな考え持ってる人最近ちょいちょい見かける。

グズグズだったり、荒削りだったり、最適化されてない表現でも向き合う姿勢って大事なんじゃないかなと。


2016年1月22日金曜日

2016.01.22

誰の発言か忘れたけど、「新しくて面白いものよりも、古くて面白いものの方が強い」って言葉に引っかかっていて、古いより新しい方が歴史や文脈を更新していて価値があるのでは?って思っていた。

だけど、新しくて面白いものは時間が経てば古いものになるし、その面白さは新しさに依存してる可能性もある。それに既存の手法なのに面白いと言える表現には「なぜ面白いのか」を分節しきれない魅力があるんじゃないかと考えている。

それと作品の価値に「文脈や時代性に依存していない」のも強いなと。




3年近く前に見た「katachi」には、カットアウト素材をZ軸上に並べて撮影するアニメーションは、横田将士氏の記憶全景という作品で知っていたし、その手法で見えてくる効果も想像できるのに面白いと感じられる。



katachiはデジタルカメラの普及によってコストが落ちつつ画質も良くなってコマ撮りアニメのハードルが下がったといえば、技術の進歩が生んだ作品なんだろうけど。



この前みたMETAFIVEのMVも、透過グラフィックと実写のコラージュ、そして矩形のモーショングラフィックスなど全部知ってるアプローチなのに面白かった。時間制御された実写素材とグラフィックの構成との掛け合いが、モチーフとして纏まりを持ったり崩れたりするのが音楽的だったなーと。


新規性を追うべきと思っていたけど、最近は「知ってるけど面白いもの」を追っかける方に関心が出てきた、、、という話でした。




2016年1月21日木曜日

2016.01.21

最近気になってるSSWのMVがyoutube上のプレイリストにまとまっていて繰り返し音源聞いてるんだけど、MVがどれも1コーラス分しかないせいか中毒性というかリピートして再生したくなる。

でもそのMVが素晴らしくて何度も見てるわけじゃなくて。内容がハウススタジオで撮ったようなチープな趣や既視感のあるロケーションなど楽曲のもつ記名性や、そのジャンルが抱えてる文化的な背景が一切感じなくてトホホ感がすごい。

MVだけじゃなくて、パッケージ周りも寄り気味で撮ったポートレイトにも音楽のトーンを代弁したような趣になってなく 音楽の切実さとは裏腹に「ルックスで売ってる」プロモーションに誠実さを感じなかった。

ここ数年、自分もいろんなミュージシャンの活動をクリエイティブの面で手伝ってきて、自分たちの領域が優れていれば音楽が売れるわけじゃないのは痛感してるし、楽曲あってこそなんだけど。

それでも、楽曲やミュージシャンからにじみ出る今の姿を形成するまでのストーリーというか文脈的なものってやはり必要だなと、そのMVやパッケージ周りを見て感じた。機会があれば俺がもっと良いもの作ってやんよ、って考えるんだけど。

音楽とその背後にある文化と、それらを端的に表したクリエイティブが全部揃えられる現場があれば幸運だなと思ったり。統合力。


2016年1月20日水曜日

2016.01.20

同業者(アニメーターやモーションデザイナーなどデスクトップ上で映像を作る人)でご飯食べに行くと、「実写にいきたい」「実写のディレクターに憧れてる」ていう話をよく耳にする。

おれは大学に入学する前はアートディレクションやイラストレーションなどグラフィックデザインに興味があったし、入学してからもその流れでモーショングラフィックスやアニメーションに対する関心が強かったから、現状の専門職から実写に移行したいという願望が理解できないでいる。

CGデザイナーだと技術を追求していく沼に疲れて別の映像手法に関心が向いて実写に興味が移ったり、予算が他の職種に天引きされて割りに合わないとか、人によって理由は様々なんだろうけど。

元々演出に専念したいけど、キャリアのスタートとしてモーションデザイナーなりエディターから始まって、その後MVの実写ディレクターになって仕事が評価されるとCMもディレクションしはじめる。。ていうキャリアのステップを見てきてるし、元々演出志望の人であればそれは真っ当な考えだと思う。

でも、デスクトップ上で完結する専門職を選びながらも、いまの仕事に対して誇りとか自信を持てない人が別の職種に憧れを持つことに違和感を覚えている。お金を稼ぎたいなら演出よりも稼ぎの良いポジションはあるだろうし、職種は違えど表現や技術を追求していく営みは変わらない。




2016年1月12日火曜日

【レポート】2015年の下半期に気になった作品

2016年になってしまいましたが、毎年恒例の2015年下半期の気になった短編作品を選出したエントリーになります。紹介の順番には順位付け的な意味合いはないんだけど、それでも「共感覚おばけ」を見た時の衝撃はすごかったなーと。。。




2015年下半期の傑作は間違いなくコレ。世界観は濃ゆいのに、異なるアニメーションの手法を組み合わせてハイパーなルックにもなっているのに感銘をうけました。自分は「餅は餅屋」の考えだけど、一通り自分で作れてしまう強みがかなり仕上がりに出てると思う。



要素を抑えて鑑賞者の関心を最後まで引き止め続ける演出。webで映像を見るうえで懸念されるストレスとか鑑賞側の集中力とか、「そんなの俺にはかんけーねー」と言わんばかりのストイックな構成。


RHIZOME - Bande Annonce from Boris Labbé on Vimeo.
本編はまだ見てないけど、期待度高めの予告映像。今年のメディア芸術祭のアニメーション部門大賞なので、本編見れるの楽しみ。



楽器から発する音色のイメージそのものが楽器の形状になっているアニメーション。
大味に合成された演奏者も不思議な趣を作っていて面白いし、本来の楽器の形状が音色のイメージとして描いてるのが屈折してて印象的でした。


Drag — MYMK from Yoshi Sodeoka on Vimeo.
アナログのビデオエフェクターの趣がもつ肌触りにグっときつつも、色面の変化だけでこれだけ魅力的に見せれるので選出。




自分もいつかやってみたかったルックの方向性を先にやられた悔しさ。



小規模なワークフローでこのクオリティに勇気もらいつつ、CGで人体モチーフを使った演出で一番衝撃的でした。



ピンクフロイドよろしくリキッドペイントからヒプノシス的な超現実的モチーフ構成とか、プログレのイメージ引用の仕方が新鮮でかっこよかった。




ジェットコースター的な映像って何でこんなそそるのか。。



声優のMVってこんな進んでるのか、と感銘うけました。



短編作品ではないけど、異様なカラコレと昔の格闘ゲームのイメージが引用されててナード心つかむ演出で最高。


昔vimeoのstaff picksに「そのwebサービス特有の臭い=vimeo 臭」に食傷気味だったんですが、自分が良いなと思える作品が後からstaff picksに選出されてたりすると、webで見れる映像に即効性のある面白さや新しさを求めてたりするのかなーと思ったりする。

とはいえ、最近は運営スタッフというよりキュレーターが選出してるっていう話を耳にするし、あんまり「picksされてるし、自分は別の選びたいな」みたいなあまのじゃくみたいな発想は止めてるようになったかもしれない。

今年は新作を公開する予定だし、いま自分がblogでやってるような「年間ベスト」みたいな記事に選出されるようにしたいなーと。